◉ 【新企画】漫画家・絵津鼓さんと、新しいフロンティアへ─軌道さがしの旅

これまでグッズデザインのみを承っていた絵津鼓さんのコミックス、『スモール・グッド・シングス』を出版することになりました。ミニ個展「ブラジルの3人と、日本のふたりで、ポルトガル語翻訳版を出版することにしました(パルコ心斎橋店)」の開催に合わせて発売、ここまで会場と一部オンラインのみの取り扱いでしたが、このたびめでたく重版出来!8月23日(火)14:00より、オンライン販売をスタートいたします。


  • 『スモール・グッド・シングス』について

雑誌ヒバナ(現在廃刊)2017年掲載作品。「猫と男」というテーマで描き下ろしされた読み切り企画(その後同人で販売中)。このたびポルトガル語翻訳版を併載し、初のコミックスとして発売(2022年7月25日)。

  • あらすじ

吉川探偵事務所で働く吉川と椎熊、そして一匹の猫・プチ。探偵事務所だが刑事的大事件の相談事は皆無、日々は穏やかに流れる。ある日、いつものように浮気相談が持ち込まれ、吉川と椎熊は現場に向かう。そこで見た光景にそれぞれの心が動く。「好き」という気持ちは、どんなもか?を軽やかに見せてくれる作品。

  • 「ポルトガル語に翻訳して、出版してみたい」という、とてもシンプルな思いからスタートしました

「どうしてポルトガル語なんですか?」とか「自動翻訳時代にリアルな紙の本とか必要ですか?」とか………もうほんとうにその通り!これまでも同人か?商業か?紙か?デジタルか?さんざん考えてきましたが、わからなかったし、もうどれだけ考えても「これだ」という結論にはたどり着きそうもないので、大海原に乗り出してみるしかなかったんです。

  • ことの発端はブラジルのamazonランキングで1、2位獲得の〝?(謎)〟

2018〜2019年に発売した『JOY』と『JOY Second』が、2021年某日、ブラジルのamazomで突如上位にランクイン。日本はもちろん、他の国でもそんな現象は起きていない。

驚きましたが、嬉しかった。同時になぜブラジルでこのような現象が?と不思議に思いました。自分からアクションを起こしてみたくなったんです

絵津鼓
  • 翻訳者を、Twitterで募集してみた

知り合いの出版社を頼るとか、翻訳会社を探すとか……もっと正攻法的なアプローチは、いくらでもあったと思うんです。けれど「ちょっと違うような気がする……(絵津鼓談)」というので、Twitterで「どなたか翻訳してくれませんか?」と、ある日唐突に呼びかけて……。今にして思えば、完全に予測不能な、新しい軌道を描く旅は、ここから始まっています。

  • 予想をはるかに上回る反響が!

本当にたくさんのご応募を頂戴しました。自推だけなく「この人が良いと思う」という他推メッセージが意外と多いのにも驚きました。みなさまからのメッセージを受け、3名の方を選出、おひとりずつzoomでお話ししてみた結果………お三方ともに、本当に素敵な方すぎました。おひとりに決められず……翻訳、校正、宣伝という形で、みなさまにお仕事をお願いすることになりました。

カンブール・アーサーさん
平江ゆうさん
出口ジエゴさん
  • 編集会議、販売戦略会議なし!「やってみたいことをやってみた」

感覚とカンだけを頼りに進み始めた企画ですが、それでも当初からずっと大事にしてきたことがあります。それは、まったくもってうまく説明のつかない(わけのわからない)この企画を、「楽しそう!参加してみたい!」と思ってくださった全員[著者、翻訳者、デザイナー、印刷会社、読者、販売店]にとって、ほんとうに良いこと・楽しいこと・面白いことは何?に正面から向き合い、あきらめず取り組むこと(ちょっとでも目先の利益を優先したり、邪な心が入ったりすると、最終的にぜったい良い結果につながらない、という感じが強くしていたんです)。

打ち合わせはzoom、やりとりはチャット。12時間差の日本とブラジル。日本9:00・ブラジル21:00の打ち合わせがほとんどでした。

でもですね、すべての人にとってオッケーで、いつだってカンが正解、なわけがありません。あっちが好きだ、こっちがわるい、こうすべきだ、ああしたい……、ちょっとしたことに、いちいちつまづく日々。で、はっきりわかったことがあります!「たいていのことは苦手なんだ」。

我ながらなさけない顔をしていたと思うんです。諦めきれずねばっていると、「こうしてみたら?」とアドバイスしてくださったり、「今回は仕方ないですね。次はこうしませんか」とご提案いただいたり……が、連続的に繋がり始めました。いま、ひと息ついてふとあたりを見渡すと、これまで見たことのない、知らない風景の中に立っている、今、そんな感じがしています。

共同印刷の長谷川さん(左)と佐藤さん(右)。お二人のお力添え無くしてはできなかった!

このさき、本を手に取ってくださったみなさまが、ポルトガル語(あるいは日本語)に、興味を持ってくださったり、よく知らない相手への理解が深まったり、新しい道を探し始めたり……そんな何かのきっかけが生まれたらいいなあと心から願っています。


現在、日本⇄ブラジルの郵便が停止中(コロナ禍の影響)のため、(安価な)配送手段がありません。再開し次第、海外出荷もあわせて行う予定です。


絵津鼓(Etsuko)プロフィール

漫画家。大阪府生まれ。2012年デビュー。好きな食べ物は果物と海苔。一緒に暮らす猫は2匹。

著書
2014 年 『IN THE APARTMENT』(大洋図書)
2015 年 『ラストフライデイ』(大洋図書)/『SUPER NATURAL』(CannaComics)/『モアザンワーズ①』(幻冬舎コミックス)
2016 年 『モアザンワーズ②』(幻冬舎コミックス)
2017 年 『続 IN THE AP ARTMENT』(大洋図書)
2018 年 『JOY』(講談社)/『SUPER NATURAL/JAM』(CannaComics)
2019 年 『JOY Second』(講談社)
2021 年 『メロンの味 上・下』(大洋図書)

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