満月を見ると思い出すおばあとの会話

編んだり縫ったり、アクセサリーやリメイクお洋服を作る岩切エミとの連載よみもの。日曜日更新。

今年2回目の宮古島に来ています。

16年前、わたしは宮古島町に住んでいました。街から外れた一軒家に住んでいて、隣には缶ビールを2本持って「エミさん、お月様見よー」と誘ってくれる90歳の可愛いおばあが暮らしていました。満月の夜、ふたりでお月様に向かって地べたに座り、色んな話をしました。

ある日おばあは「私はここが日本になるとは思ってなかったさ」と言いました。
「どこになると思ってたの?」
「戦争に負けたから中国になると思ってた」
「日本で良かった?」
「良かったよ」
「どうして?」
「学校がいっぱいできた」

宮古島に来るとその時の会話を思い出します。絶対に戦争は嫌だなと思います。平和な日曜日が毎週訪れますようにと願います。

いい日曜日を。

最近、地べたに座ってないなと思った。冬になる前に、大きな公園に行って草や土の上に足を放り投げてぼんやりしたい。そしたら体や心にちょっと隙間ができて、風が通るだろうな。気持ちいいだろうな。(もも)

岩切エミ
大阪生まれ。多くのファッションメーカーの商品企画、開発に携わり、99年にオリジナルブランド を立ち上げリメイクを中心とした物作りする。
著書に『ちょっと かぎ針編み』『アクセサリークロッシェ』『大人のドールつくり』など。
Instagram:@emi_i.tokyo

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