近道はないから、コツコツとやるしかない

これは「時間泥棒」と呼んでいるシリーズ。ちょっと硬めの生地を丸やハートの形に縫って、ベースを作る。そこにビーズを縫い付けて、その隙間に小さなフレンチノットを埋めていく。


難しくないのだけれど、果てしない作業。やっているとあっという間に1時間が経過するから、「時間泥棒」と名付けた。手で何かを作るのはどれも時間のかかる事なのだけど、形ができていく作業は時間の経過が実感できる。あともう少し!とか、1時間で進む感じとか、頭と体が実感する。ただこのシリーズは、こつこつ、ただただ、やり続けるしかない。ちょっとした瞑想状態にもなる。なんでやってるのかなぁーと思うこともあるけれど、この質感に仕上げることができるのは、このやり方しかない。やり続けた最後に「ここにひとつ針を刺したら」という瞬間が訪れた時の達成感が、この作業のご褒美です。

いい日曜日を。

「時間泥棒」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ミヒャエル・エンデ作の児童文学『モモ』。人間の時間を奪っていく「灰色の男たち」から、盗まれた時間を取り返そうとするモモのお話。こんな面白い物語があるのかと、大学生の時に寝るのも食べるのも後回しにして読んだ記憶がある。(もも)

にちようびのエビ
編んだり縫ったり、アクセサリーやリメイクお洋服を作る岩切エミとの連載よみもの。日曜日更新です。
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